【読了】 働かないアリに意義がある
進化生物学者の長谷川英祐 著
「働かないアリに意義がある」を読みました。
最近ひねくれてトム・ルッツの「
働かない―「怠けもの」と呼ばれた人たち」
という本読んでみたりしてるのだけど、この本は生物学的にも人間社会のシステムを考える上でも面白いなーと思った。
正確には「働かないアリ」というより、「働く気はあるけど働けないアリ」のほうが正しい意味だと思う。
アリには反応閾値(はんのういきち)っていう「仕事に取り掛かる反応の速さ」が個々に違っていて、アリの巣内での仕事量に応じて「そろそろ仕事するかー」という感じで、今まで働いていなかったアリ達がぞろぞろ仕事に取り掛かっていくそう。
実は7割のアリはまじめに働かないというから、一見なまけものの集団なんだけど、働き続けて皆が疲れてしまうとアリ社会が崩壊してしまうので、この「働くことに対する反応のバラつき」が、少ない生産性でも長く社会を永続していくための合理的なシステムなんだとか。
なんでも生産性と費用対効果を求める現代社会へのアンチテーゼですね!
単純に読み物としても面白かったです。
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